②「心とカラダの自然治癒力」
人間にはもともと病気やケガに打ち勝つ力が備わっています。
私たちのカラダを常に健康な状態に保とうとする力、
それが「自然治癒力」です。
カラダの自然治癒力には「防御力」「免疫力」「再生力」があります。
(予防医学学術刊行物160号より)
「防御力」は「皮膚」に代表されるように、異物を体内に取り込まないようにガードする力です。
実は「涙」も「防御力」の一つです。目にゴミが入ると涙が出て外に押し出してくれます。
「くしゃみ」や「鼻水」「痰」も同じです。
また唾液に殺菌作用があるのも「防御力」です。
そしてそのガードを潜り抜けて異物が体内に侵入してきたときに働くのが「免疫力」です。
細菌やウイルスなどの病原体と戦って排除したり殺したりする白血球の働きです。
マクロファージやNK細胞がよく知られています。
そしてそれでも病気やケガで傷ついてしまった組織を修復させる機能が「再生力」です。
「骨」は折れても修復されます。
血管は自分自身を修復するだけでなく他の臓器の自然治癒のために栄養素を送ります。
「肝臓」はある程度切除しても元に戻ります。
こうしたカラダの自然治癒力を「心」にあてはめてみるとどうでしょうか。
心の「防御力」はストレスをシャットアウトする「メンタルタフネス」でしょうか。
「心臓に毛が生えている」のは「鼻毛」の役目と一緒かもしれません。
ストレスを感じずに常に平常心でいられる「鋼のメンタル」を持った人や
何度も同じストレスを経験してそこから学んだ人は「防御力」が高いと言えます。
しかしそれでもストレスはその防御を破って侵入してきます。
まるでウイルスのように。
ストレス度が高くなったり、ストレッサーが増えると
カラダが新しいウィルスの抗体を持っていないように、心の防御力も負けてしまいます。
でも心にも一旦受け入れたストレスと戦う「免疫力」があるのです。
また戦って傷ついた心を回復させる「再生力」もあります。
それが「レジリエンス」です。
「メンタルの底力」と呼ばれる所以です。
またその時に「レジリエンス」のサポートとなるのが、
マインドフルネスやストレスコーピングといったこころを労わるエクササイズです。
どんなに大きなダメージを受けても、人間はいつか立ち直ります。
それが「心の自然治癒力=レジリエンス」の働きです。
でもカラダの自然治癒が臓器によって治る早さが異なるように
「レジリエンス」の働きはストレスの大きさやストレッサーの種類によって変わります。
またその人に備わっている「レジリエンス要因」によっても違いがでます。
つまり「メンタルの底力」は、名前は同じ「レジリエンス」でも、
中身は人それぞれという訳です。。
次回は、自分の「メンタルの底力」について「レジリエンスバランスチェック」で分析してみましょう。
(ほり)
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