メンタルの底力~心にはこんな力があったのか①

①精神力はひとつではない

 

「レジリエンス」をひとことで言うと何ですか?とよく聞かれます。

「回復力」?「適応力」?「弾力性」?「柳のような・・・」?「ボールのような・・・」?

私も最初はこのように答えていました。

でも最近は「メンタルの底力」と答えることにしています。

 

日々「レジリエンス」に関するいろいろな文献を読んだり研究に接したりしますが、

明確な定義はまだないようです。世界には100以上の定義があるとか。

 

当協会の理事でもある東京家政大学の平野真理先生は、

「この多様性こそがレジリエンス」とおっしゃいます。

どうやらひとりひとり「レジリエンス」の働き方は違うということ。

必ずしも落ち込んだ時の、直線的な回復を目指す力というわけでもない。

ゆっくりでも右往左往しながらでも、とにかく前を向こうとする力は

みんな「レジリエンス」ということです。

 

何年間も引きこもりをしていた人が何かのキッカケでカムバックしたとすれば、

それこそがその人の「レジリエンス」の力なのではないでしょうか。

そういう意味で私には「レジリエンス=メンタルの底力」がしっくりきます。

精神力の最下層で、ギリギリの状態を支えてくれている力というイメージです。

 

先日スポーツメンタルトレーナーの柘植陽一郎さんのお話を聞く機会がありました。

オリンピックや世界選手権で見るトップアスリートたちの精神力にはいつも感心させられます。

でもこの陰にはこうした柘植さんのようなメンタルコーチやメンタルトレーナーの存在があったのです。

では彼らの「集中力」や「逆転力」、「本番発揮力」といった

パフォーマンスを上げるための精神力と「レジリエンス」はどう違うのだろう・・・

 

私は精神力には2種類あると勝手に考えています。

「勝ち抜くためのメンタル」「生き抜くためのメンタル」です。

 

我々もスポーツやビジネスでの「戦いの場」では「勝ち抜くためのメンタル」を使っています。

でもこのメンタルは必ずポジティブゾーンで使われています。

とにかく前向きに立ち向かおうとする意志がある場面で発揮されます。

たとえ戦いに負けてもネガティブゾーンに落ちることは少ないのではないでしょうか。

普通は、「しょうがない、また次に頑張ろう」と切り替えるところで止まるはずです。

 

でも立ち直れないほどの大きなダメージを受けて、目標を失い、ネガティブゾーンに落ちた時には

もうひとつの「生き抜くためのメンタル=レジリエンス」が必要になります。

つまり「レジリエンス」は「負」からスタートする力であり、

常にネガティブゾーンで最後の最後に受け止めてくれる「底力」なのだと思います。

 

こう考えるだけでも何か心に砦ができたような安心感が沸いてきます。

私のメンタルには底力がある。だからこの程度のストレスには負けないのだと。

 

次回はメンタルの底力~心にはこんな力があったのか②

「心とカラダの自然治癒力」について

(ほり)

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