#vs.コロナ#全員が被災者、全国が被災地#レジリエンスの輪#All for All
#お互いがんばろう#コロナブロック#メンタル様式#いまこそレジリエンス
全員が被災者、全国が被災地。「レジリエンスの輪」を広げよう!
このコロナ禍(vs.コロナ)を「レジリエンス」の視点から考察したいと思います。
例えば放送大学の「レジリエンスの諸相~人類的視点からの挑戦」という講義には「災害レジリエンス」という概念が出てきます。
突発的な災害に対する、防災・減災の考え方の一つです。東日本大震災のあとの復興の歩みは「日本のレジリエンス」「東北のレジリエンス」と表現されました。
そして震災だけでなく森林火災やテロも含めた「災害レジリエンス」は「(個人、森林、都市、経済といった)システムが継続的に変化し適応していく能力」(ストックホルム大学ストックホルムレジリエンスセンター)と定義されています。(放送大学テキストより)
我々レジリエンスコンサルタント協会はこれまで「ひとりひとりのレジリエンス」(レジリエンスの多様性)というテーマで「個人のレジリエンス」と向き合ってきましたが、「災害レジリエンス」では「個人」だけでなく「組織」「企業」「自治体」「国」、さらに「経済」「政治」といった全方位の「レジリエンス」が「システム」として結集されることが必要とされるのです。
今回の「vs.コロナ」のプロセスの中では「自治体」「国」「経済」「政治」といった大きなレイヤーでの「レジリエンスシステム」がうまく機能しなかった感があります。
それはなぜだろうと考えた時に、この「vs.コロナ」が東日本大震災などこれまでの災害と大きく異なる点がありました。
それは「全員が被災者、全国が被災地」(世界で見れば「全人類が被災者、全世界が被災地」)という現代人が未体験の状況が出現したことです。
「感染者」だけが「被災者」ではないのです。大都市だけが「被災地」ではないのです。すべての人がそれぞれリスクを負い、何かを犠牲にして長期間我慢しながら過ごしているのが「vs.コロナ」です。
「被災者と非被災者」、「被災地と非被災地」というはっきりとリスクの大きさが異なる二つの集団が存在し、被災側の「レジリエンス」を非被災側がサポートしていくこれまでの「災害レジリエンスシステム」が成り立たないのがこの「vs.コロナ」だったのではないでしょうか。
最もわかりやすいのが「ボランティア」の機能です。
非被災者が被災者のレジリエンスをサポートする典型的なシステムが「ボランティア」でした。しかしこの「vs.コロナ」ではボランティアの出番がありません。なぜなら「全員が被災者」だからです。そしてボランティア自身も「被災地」にいる「被災者」だからです。また「動かないことが社会貢献」という「新しい生活様式」が行動としてのボランティアを不可能にしました。誰が誰をどう支援していいのかわからない戦いが「vs.コロナ」です。
ではいま私たちに必要とされる価値観はなんでしょうか。
ひとつは「全員が被災者、全国が被災地」という共通の認識を持つことで生まれる強い「vs.コロナ連帯感」なのではないかと思います。いわば「All for All」です。
感染者や医療現場で働く人を差別的に扱ったり、「自粛警察」や「○○狩り」と言った過度のバッシングはこの「vs.コロナ連帯感」の欠如とも言えます。
そしてもうひとつがこの「vs.コロナ連帯感」を継続させるための「レジリエンスの輪」という発想です。
すでにSNS上では「vs.コロナ」を応援する様々な試みが展開されています。トップアスリートや芸能人のみなさんのアイデア溢れる「自宅でできるエクササイズ」「巣ごもりノウハウ」の動画とか、動物園や水族館のみなさんが発信してくれる生き物たちの癒し系動画は時間を忘れさせてくれます。ミュージシャンのみなさんも無料で過去のライブ映像を配信してくれています。しかしこうした様々なサポートアクションも、誰を応援しているのか絞り切れず手探り状態で行われている感じがします。いまは「医療現場のみなさん」と「外に出られない子どもたち」と「家で時間を持て余している大人たち」に向けての発信が主流になっています。
でも私たちが考えなくてはいけないことは「発信者のみなさんも被災者」であるという事実です。
本来なら満員のスタジアムで華麗にドリブルをしているはずの香川真司選手が自分の部屋でリフティングをしているのです。
誰かが誰かを支援するのではなく、全員が全員を思いやり励ましていく気持ちが「レジリエンスの輪」を生みます。
全員が「被災者同士」としての「vs.コロナ」の自分なりのノウハウやメンタルマネジメント法を発信して受信して共有して行くことが「お互いがんばろう」という「vs.コロナ連帯感」を繋げて「レジリエンスの輪」を広げるのです。一方向で受信だけして楽しんでいるだけでは「レジリエンスの輪」は広がりません。
先日の新聞にキヤノンやトヨタ自動車が知財(特許や実用新案)を無料開放するという記事がありました。コロナウィルスの検査や治療にかかわる製品づくりを支えるためです。もちろんキヤノンもトヨタも同じ「被災者」です。また「雇用シェア」という取組みもはじまりました。「出前館」は休業中の飲食店の従業員を臨時の配達員として働く場所を提供したそうです。
こうした「個人」「組織」「企業」「自治体」「国」というレイヤーを越えた「レジリエンスの輪」が「vs.コロナ」の戦友としての「vs.コロナ連帯感」を増幅し、「コロナブロック」を形成して行くのだと確信しています。「生活様式」と一緒に「メンタル様式」も変えて行くことこそがまさに「レジリエンス」です。「いまこそレジリエンス」
(ほり)
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